Raskのエレキ会

【エレキ会】 電験 一種 二種 三種を目指す皆さまへ

電験 11講座 自己励磁現象 2【過去問 電力管理 二種二次】

今回は二種二次をやっていくよ

 

 

 

【二種二次 平成14年 電力】

同期発電機を無負荷の長距離架空送電線や地中送電線など静電容量の大きい線路に接続した時、次の問いに答えよ

 (1)自己励磁現象について簡潔に説明せよ。

 (2)送電線路の試充電において、自己励磁による異常現象を起こさない方策をあげよ。

 

 

 

 

既に自己励磁について記述しろって書いてあるね

 

 

 

問題を見たときに長距離送電線とか、地中送電線とか静電容量が大きくなりそうな単語がでるから

 

 

 

問題で自己励磁を書かせるんだなって思う

 

 

 

長距離送電線で静電容量が大きくなるのは、

並列でコンデンサがいくつも繋がる状態になるから

 

 

 

1μFと1μFがあったら並列繋ぎは2μFになるし、

長距離になるほど3μF、4μFとどんどん高くなるよ

 

 

 

ここでのコンデンサはこんなイメージ(左上)

f:id:Rask:20190601225053p:image

 

 

 

よく浮遊容量っていう

幽霊みたいな名前のコンデンサのことだね

 

 

 

こいつは値が小さいけど、どこにでもいるよ

 

 

 

よく弱電、それも電子回路とかだと

無視できなくなるから浮遊容量分とか書かれるよ

 

 

 

みんなコンデンサって何かイメージできてる?

 

 

 

しっかりと鉄板二枚を重ねたのだけが

コンデンサだと思ってない?

 

 

 

他にもあるよ

 

 

 

金属と金属があればその間はコンデンサ

 

 

 

あと金属と地面

 

 

 

 

つまり外にある電柱の、

電線と地面の間にはコンデンサがあるし

 

 

 

各電線間もコンデンサで繋がってるよ

(値は小さいけどね)

 

 

 

よく覚えておいて、では本題

 

 

 

長距離送電線になればなるほど

コンデンサが並列に繋がり値が大きくなるから、

長距離送電線は容量性負荷が高い

 

 

 

つまり外で遠ーーくまで繋がってる電線を見たら

コンデンサ成分でか!」ってツッコミいれといて

 

 

 

さて、次は地中送電線

 

 

 

さっき、電線と電線、電線と地面の間には

コンデンサがあるって言ったよね

 

 

 

このコンデンサってさ

 

 

 

お互いが近い時と遠い時

どっちが影響(コンデンサの値)大きいと思う?

 

 

 

少し理論に入るよ

 

 

 

コンデンサってのは要は鉄板どうしに流れる

電界の量なんさ (電荷の量でもいいけど)。

 

 

 

電界が鉄板からでて、

相手先の鉄板にどれだけ入るかで決まる

 

 

 

当然電線同士が近い方が

電界が漏れずに相手側に行くさ

 

 

 

つまりコンデンサ成分はでかくなるさ

 

 

 

別の言い方(式)で言うと

C = εS/d って式は見たことあるよね

εは誘電率、Sは鉄板表面積、dは鉄板同士の距離

 

 

 

ここからもdが大きければ

コンデンサの値は小さくなることが分かる

 

 

 

少し難しく言うと導電体の距離を考えると

電磁気的にはC ∝ 1 / ln( b/a )

※aとbは導電体の距離(a < b)

 

 

 

距離を大きくする、すなわち相対的に

aの値を固定してbの値を大きくすると

 

 

 

コンデンサCは小さくなるね

 

 

 

一種受ける人は

この3つで説明出来るようにしておくといいよ

 

 

 

というか距離が短いほうがコンデンサ小さくならないと、例えば日本の電線とブラジルの電線の間とかでとてつもない容量のコンデンサがあることになってしまう笑

 

 

 

考えてみれば当たり前やね

 

 

 

では、

外に架空で布設している電線と地面の距離

地中に埋まってる電線とその地面の距離

 

 

 

地中送電線の方が近いよね

 

 

 

だから他の問題で「地中送電線を布設するにあたりなにが問題になるか」と聞かれたら

 

 

 

・送電線の容量性成分が大きくなる

 

 

 

って答えておけばいいよ

 

 

 

それが原因で地中送電できない所もあるし

 

 

 

まぁほとんどは地面埋めると布設費用とメンテナンスコストがかかるって書けばいいんだけどね。

(あと火災設備とか付けなきゃいけないし)

 

 

 

ちなみにメリットとしては

・自然災害を受けない

とか書いとけばいいよ。

 

 

 

キャロッピングやスリートジャンプや塩害

気にしなくていいって書いてもいいし

 

 

 

やばい他の過去問になってしまってる

 

 

 

この浮遊容量による充電成分て

色んなところで問題になっててさ

 

 

 

他にも「本州と北海道繋ぐ海底ケーブルは何で直流なの?」って問題も

 

 

 

・交流だとコンデンサによる充電容量成分が大きくなるため(充電電流が大きくなるため)。

 

 

 

ってのが答えにあるよ

 

 

 

脱線するから本題本題

 

 

 

じゃあ問題もっかい

二種二次 平成14年 電力

 

同期発電機を無負荷の長距離架空送電線や地中送電線など静電容量の大きい線路に接続した時、次の問いに答えよ

 (1)自己励磁現象について簡潔に説明せよ。

 (2)送電線路の試充電において、自己励磁による異常現象を起こさない方策をあげよ。

 

 

 

 (1) 容量性の大きい線路では残留磁気により進み電流が流れるため励磁電流が増加してしまう。すると励磁電流が増加したことにより同期発電機の端子電圧が上がり、電圧が上がったことにより励磁電流がさらに増加する現象が起きる。これを自己励磁現象という。この自己による電圧増加現象は、同期発電機の無負荷飽和曲線と充電特定曲線の交点で止まる。この時、交点が端子電圧の定格電圧値より高いと自己励磁現象により端子電圧が定格値を超えてしまい機器の破損となる危険性がある。

 

 

 

こんな感じかな

 

 

 

正確な答えは参考書や過去問でも読んでおくれ

 

 

 

俺なら上の文と、プラスαで

いつも出してる画像を図として書いとくかな

f:id:Rask:20190601194755j:image

 

 

 

記述形式だからどこまでってのはないけど

 

 

 

俺はこの安定点の話まで書いといて

採点者に「この子分かってる!」と思わせるかな

 

 

 

二種二次 平成14年 電力

 

同期発電機を無負荷の長距離架空送電線や地中送電線など静電容量の大きい線路に接続した時、次の問いに答えよ

 (1)自己励磁現象について簡潔に説明せよ。

 (2)送電線路の試充電において、自己励磁による異常現象を起こさない方策をあげよ。

 

 

 

 (2)自己励磁現象をなくすためには線路を容量性から誘導性にする必要がある。そのため、受電端部に分路リアクトルや調相設備を設けたりして電線路を誘導性適切な位相にする。また、充電電流を減らすために同期発電機を複数台設置することで分流させ充電電流を小さくする、同じく変圧器を設けることで充電電流成分を小さくする。しかし、充電電流を小さくすると励磁電流が小さくなり、かつ電線路のインピーダンスが大きくなるために同期化力が小さくなるために安定度が低下する恐れがある。

 

 

 

俺ならこんな感じで書くかな

 

 

 

ここで覚えておいてもらいたいことは

 

 

 

線路が容量性ってのは異常ってこと

 

 

 

普通は電線なんて素材が

コイル(リアクトル)なんだから誘導性

 

 

 

だからマストで書くのは

容量性の電線路を直すってこと

 

 

 

そのためにはまぁ分流や変圧器(変圧器ってコイルだし要はリアクトル成分を繋げることと一緒やね)を使って充電電流減らしたり、調相設備を入れて位相を調整したりすることが大事

 

 

 

ここで安定度の話入れとくと試験管が

「おっ、こいt(以下略)」

 

 

 

安定度ってのはその線路の状態を見てるもんで

 

 

 

P = 100 * VsVr / Z で表すんだけど

(Vs は送電端 send だね)

(Vr は 受電端 receive だね)

(Zは線路インピーダンス)

 

 

 

ようは誘導性になるからインピーダンスZが

大きなって安定度Pが減るってこと

 

 

 

ここら辺の話もいつかツリーに入れて話すよ

 

 

 

今回は以上!

 

 

 

自己励磁も聞いてみるとそんな難しくないでしょ

 

 

 

充電電流と増磁!これにつきる

 

 

 

もし、励磁電流てなんのこと?

って読者がいたら何かしらで教えてちょーだい

 

 

 

そこ優先してブログ書くから

 

 

 

さて次回は一種二次

 

 

 

対して難しさも変わらんから、

気軽に解いていこう~

 

 

 

【本日の豆知識】

RLC回路の共振とかよくやったと思うけど

あれは

R 電線による抵抗成分

L 電線によるコイル成分

C 浮遊容量の成分

でRLC回路をやっている

この世の回路は全て厳密にはRLC回路さ

 

 

(・ω・)ノシ

 

※全体画像と、参考にこの問題の昔やった時の紙を

載せとくよ(参考書ぐちゃぐちゃ派です)

 

f:id:Rask:20190601233536p:image

f:id:Rask:20190601233554j:image

 

【2019.6.16】追記

うっかり画像の説明をし忘れていたところがあるから補足していくよ

f:id:Rask:20190616134058p:image

自己励磁現象の防止対策として、上にも書いたけど

 

①同期発電機を複数台設置する。

②変圧器を系統の途中に設ける。

③分路リアクトルを設ける。

④調相設備を設ける。

 

があるんだけど、この画像の(Pn / %Zn) ∝ In の部分

これは分流の考え方を示しているよ

 

例えば同じ定格容量、同じ電圧発電機の

G1とG2を用意した場合

 

G1の%Z : G2の%Z = 1 : 2であった時、

G1の電流 : G2の電流 = 2 : 1という事だよ

つまり(1 / %Z1) : (1 / %Z2) = I1 : I2 が成り立つ

 

並列運転の計算とかで使うから覚えておいて

 

(・ω・)ノシ

 

電験 10講座 自己励磁現象 【過去問 電力 三種】

自己励磁現象の過去問をやっていくよ

( 'ω')

 

 

 

自己励磁現象は三種、二種二次、

一種二次で出てるから全部やっていくよ

 

 

 

とりあえずこの前の画像

f:id:Rask:20190521230115p:image

 

 

 

一発目

電験三種 平成24年 機械 問6

f:id:Rask:20190521230718j:image

 

 

 

まず問題を見た時に、進み電流と遅れ電流、

進み力率と遅れ力率が出てくるから補足する

 

 

 

まずはこちらの図をみてね

f:id:Rask:20190526232939p:image

 

 

 

進み電流とか遅れ電流って言うのは、コンデンサやコイルがあることによって流れる無効成分の電流のお話だよ

 

 

 

電流には、有効成分と無効成分があるんだ

実数と虚数を使ってI = Ire + j Iimと書いたりする

 

 

 

この添字のre はreal part (実数)

添字のim はimaginary part(虚数)

って意味だよ

 

 

 

で、jは虚数の頭に付けるもの

 

 

 

つまりここで聞かれてるのは

 

 

 

このIimが進み電流ですか?

遅れ電流ですか?ってこと〈⸅̨᷇͞͞ˬ̵̮̑̉⸅̮̖᷆͵̸ͥ͛˒ͥͥ

 

 

 

右図をみてね

f:id:Rask:20190526232939p:image

 

 

 

コンデンサを回路くんに接続すると

 (Gは同期発電機。generatorって意味のG)

(ちなみに同期はsynchronusだから、

同期発電機はよくSGって書かれたりするよ)

 

 

コンデンサに向かって進み電流Icが流れるんだ

(同様に進み力率となる)

 

 

そしてコイルを付けると、

コイルに向かって遅れ電流ILが流れる。

(同様に遅れ力率となる)

 

 

こういうものだって覚えておくといいよ

 

 

 

コンデンサを付けると、進め進め進めええええ!

コイルを付けると遅れろ遅れろ時よ止まれっ!

 

 

まぁコイルっ直ぐには電流流さないし

 

 

そこから紐付けると覚えやすいかな

 

 

 

じゃあ問題

 

 

 

今、回路が遅れ力率で運転しています。

何とかしてちょうど良い力率にしたいです

 

 

 

さて、どうする?

 

 

 

(答え)コンデンサを付けまくる

 

 

 

第2問!

 

 

送電線に繋がってる負荷が、

神の悪戯で切断されました(雷とか)。

送電線の回路は進み力率になっています。

どうする?

 

 

(答え)コイル付けまくる

 

 

実際は付けまくるでなく付けるなんだけどね(笑)

(厳密には違うけど)

 

 

まぁこういった描き方してた方が

感覚的に覚えやすいでしょう

 

 

さて、以上のことが

コンデンサやコイルを付けることで出来る

 

 

こういった進み遅れを操る機械は世の中にあって、

このコイル付け足したりコンデンサ付け足したり

する機械のことを、調相設備って言うよ

( 'ω')

 

 

 

コンデンサくんとコイルくん、

どっちも好きなように付け足せるのが、

SVCって名前の静止型無効電力補償装置

 

 

 

英語だとStatic Var Compensator

 

 

 

みんな英語は覚えるようにね!

理解しやすくなるから!

 

 

 

そしてコンデンサだけ付け足せるのが

電力用コンデンサ

 

 

 

コイルだけ付け足せるのが分路リアクトル

 

 

 

ここら辺はまた他の会で説明するよ

(長所短所あるし)

 

 

 

これぞメモリーツリーよ

 

 

 

広がりすぎてどこ進めていけばいいやら

 

 

 

そろそろ問題(自己励磁)に戻らないと😅

 

 

 

でももう少し説明

f:id:Rask:20190526235038p:image

 

 

 

コンデンサにはさっき説明したように

進み電流が流れる

 

 

って事はだよ

 

 

 

 

無効電力で考えると

 

 

 

無効電力の中の進み無効電力分が、

コンデンサに吸収されてしまうということなんだ

 

 

 

だからコンデンサを入れると

・進み無効電力を吸収する

・遅れ無効電力を供給する

 

 

 

って言えたりする

 

 

 

これはよく、こんがらがる人がいるから

 

 

 

ここで覚えちゃおう

 

 

 

コイルだと、遅れ電流を吸収してしまうから

・遅れ無効電力を吸収する

・進み無効電力を供給する

 

 

 

どっちでも言える

 

 

 

原点としては、コンデンサは進み電流吸収して、

コイルは遅れ電流を吸収するのさ

 

 

 

これを回路のどっちから見るかによって無効電力を吸収するだの供給するだと説明がなされる

 

 

 

丸暗記タイプだとまずこんがらがるから、

しっかり内容を理解しよう

 

 

 

一種だと単位法をつかった潮流計算がでるから

 

 

 

ここはよく理解しておくように!

 

 

 

さて、問題にもどりやすか

f:id:Rask:20190527000405j:image

 

 

まず文章読むと、(ア)と(イ)で進み電流の時に

増磁するのか減磁するのか書いてあるね

 

 

これは、(発電機の時)

進み電流だと増磁

遅れ電流だと減磁

 

 

 

(電動機の時)

進み電流だと減磁

遅れ電流だと増磁

 

 

 

そう覚えれば良いよ

 

 

 

これも単純に発電機から電動機になると、

回路的に逆になるから逆になるだけ

 

 

 

ここもぐちゃぐちゃになる人いるね

( ˘ω˘ ) よーく整理して

 

 

 

そうすると、

(2)と(4)は何言ってんだこれ(笑)と消去できるね

 

 

 

 

 

(ウ)と(エ)を見るけどさ

 

 

 

電圧上げて電流が減るわけないだろ

 

 

 

どんな回路だよ

 

 

 

マクスウェルで考えれば電圧上げれば電界増えて、

電界の回転が磁界なんだから磁界も増えるよ

 

 

 

(1)はないね

 

 

 

まぁこの下図が頭に入ってれば

電圧上げの励磁増とわかるけどね

f:id:Rask:20190527001759j:image

 

 

(オ)は...読んでも(3)と(5)は絞れないね

 

 

解ききるには自己励磁現象が

電圧高くなっていく現象と知らないと無理かな

 

 

そして、進みだしコンデンサで容量性

 

 

 

答えは(5)

 

 

 

問題おわり!

 

 

 

この問題でまさかの潮流(調相)に進みかけた

 

 

 

自己励磁現象は二種二次も一種二次も出てるから

 

 

 

次回はその二つをやるよ

 

 

ではでは~

 

 

【本日の豆知識】

同期発電機 SG 

Synchonus Generator

同期電動機 SM

Synchonus Motor

誘導発電機 IG

Induction Generator

誘導電動機 IM

Induction Motor

 

誘導発電機は風力と小容量水力位でしか

使わないからあまり覚えんくていいかも

 

 

 

(・ω・)ノシ

f:id:Rask:20190527002508p:image

電験 9講座 自己励磁現象 【機械】

今回は自己励磁現象について説明していくよ

 

 

先に画像を上げるとこう

f:id:Rask:20190512194031p:image

 

 

三相短絡曲線と無負荷飽和曲線の応用で、

自己励磁現象にお話が進むよ

 

 

詳細の画像をどん!

f:id:Rask:20190512194140p:image

 

 

ここでは自己励磁現象を考えるため、無負荷飽和曲線と充電特性曲線 (実際は直線)を考えていく

※三相短絡曲線じゃないよ!

 

 

 

【充電特性曲線】

回転機の回路がどれだけ充電されているかをみるもの。充電とは、回路上に電圧がかかって電気が流れる (電荷が線路にある)状態のことを言うよ。つまり励磁電流の値に応じて、端子電圧が発生し(励磁電流の値に応じて端子電圧の大きさが変化)、回路が充電状態となるもの

 

 

次に自己励磁現象について

 

 

 

【自己励磁現象】

自分の磁界のせいで励磁が起こり、その励磁により電圧が増え、電圧が増えたことにより磁界が増え、磁界が増えることで励磁が増え、励磁が増えたことで電圧が増...といった現象のこと

 

 

 

ここで気になるのは、

①そもそもなんでそんなことが起きるの?

②それじゃあ無限に電圧が増えてしまうの?

 

 

 

まず①だけど、答えは回路に残留磁気が残るから

 

 

 

同期機は何のパラメータ操作で

出力をコントロールしてるか知ってる?

 

 

 

励磁電流を上げ下げする事で、

同期機の端子電圧を上げ下げしてる

 

 

 

つまりコントロール元は励磁電流

 

 

 

でも、実際の同期機では励磁電流を下げて

0にしてしまっても端子電圧が残る

 

 

 

それがこの画像

f:id:Rask:20190518230713p:image

 

 

 

ヒステリシスループの関係上、

励磁を0にしても磁界が完全になくならない

 

 

ヒステリシスループは磁界と磁束密度の関係を表した図のこと。物体を磁化するときのお話。

 (この話は理論の時説明するよ)

 

 

ちなみにこんなの

f:id:Rask:20190518235021j:image

 

 

今回は、このヒステリシスループによって、

励磁電流をなくしても端子電圧は0にならず

値を持つってことを覚えておいてね

( 'ω')

 

 

また画像

f:id:Rask:20190518235156p:image

 

 

この端子電圧が残ると、電磁誘導によって

励磁回路が電圧を持ち、励磁電流が流れてしまう

(電磁誘導により発生した電圧分による励磁電流)

 

 

そうすると、励磁電流が増えてしまうから

励磁電流が増える→端子電圧が増える

 

 

端子電圧が増えると、電磁誘導によって励磁回路が

さらに電圧を持ち、さらに励磁電流が流れる

(電磁誘導により発生した電圧分による励磁電流)

 

 

 

さらに増えた励磁電流によって、端子電圧が増え...

といった感じでどんどん増えていく

 

 

 

じゃあ、②のどこまで端子電圧が増えるのか

 

 

 

答えは、無負荷飽和曲線と充電特性曲線の交点まで

 

 

 

この交点が安定点となるよ

 

 

 

図の見方わかる?

 

f:id:Rask:20190519000035p:image

 

 

まず、残留磁気のところは電圧がある程度存在する

 

 

 

なのに励磁電流は全く出ていない

 

 

 

充電特性と実際の回路状態が合っていないよね?

 

 

 

端子電圧があるから、それに見合うまで

励磁電流が発生して充電特性曲線の線上まで増える

 

 

 

次に励磁電流が十分増えていても、今度は無負荷飽和曲線と比べると、同じ励磁電流値のときに端子電圧がまだまだ上げれることが分かる

 

 

 

すると、励磁により飽和するまで電圧があがる

 

 

 

次にその電圧値に見合う

励磁電流が出ているかと言うと...

 

 

 

こうやって安定点(励磁電流に対して端子電圧が飽和している、かつ端子電圧に対してもこれ以上電路が充電されることのない点)にまで回路状態が進む

 

 

 

これが自己励磁現象さ!

 

 

 

次に、自己励磁現象の問題点を説明するよ

 

 

 

上記より、無負荷飽和曲線と

充電特性曲線の交点まで電圧が上昇する

 

 

この電圧値(つまりは交点)が

定格電圧Vnを超える所までいっては困る

 

 

何で困るかは定格電圧の定義を参照してね

 (~はじまり1~を参照)

 

 

機械壊れちゃうからね

 

 

その為、安定点の位置が定格電圧Vn以下になるように充電特性曲線を定めなければいけない

 

 

つまりは回路 (電路)の充電特性を前もって適切な直線になるように設備をつくるということ

 

 

以上!自己励磁現象でした

( 'ω')

 

 

次は過去問をやるよー

 

 

そのあとは何に進めようかな

 

 

機械が長かったから電力にでもいこうか

 

 

来週は火力発電所について進めていくよ

 

 

モリーツリーの火力発電所を伸ばそうかな

 

 

【本日の豆知識】

よく外に置いてある大型の変圧器の下って砂利が敷かれてるよね。あれは接触電圧や歩幅電圧の時の抵抗値を増やすためさ

(接触電圧、歩幅電圧に関しては電力で説明するよ)

http://www.shingijutu-niigata.jp/fukyuu/pdf/18K1004-2.pdf

 

(・ω・)ノシ

 

f:id:Rask:20190519001854p:image

電験 8講座 %インピーダンス【過去問 機械 三種】

さて、今回は過去問を解いていくよ

ヽ(。・ω・。)ノ

 

 

電験三種 平成27年度 機械 問5】

f:id:Rask:20190518072536j:image

 

 

そして前回の画像

f:id:Rask:20190518072727p:image

 

 

前回の説明でした

%Zs = 100 * In / Is の式

Is : In = If1 : If2 の公式 ( Is * If2 = In * If1)

 

 

このふたつで解けるよ

 

 

%Z = 100 * In / Is = 100 * If2 / If1

 

 

つまり答えは(5)

 

 

次の問題いくよ

( ^ω^ )

 

 

電験三種 平成27年度 機械 問5】

f:id:Rask:20190518074119j:image

 

 

答えは(3)

 

 

しっかり文章から問題を理解してね

%Z = 80 [%]

Vn = 6.6 * 10^3 [V]

Pn = 10 * 10^6 [VA]

三相短絡電流が700 [A]の時、励磁電流50 [A]

 

 

 

ここからIf1[A]を求めていくよ

 

 

 

まずこの問題を考えたとき

三相短絡電流の式 Ix = 700 , Ifx = 50

(このIx , Ifx は任意の点をさすよ)

 

 

三角形の相似が成り立つから

Is : Ix = If1 : Ifx が成り立つよ

ここからIs * Ifx = Ix * If1

 

 

次にIs [A]を求めればIfx1が求まるね

 

 

Isを求めるためには、%Z = 100 * In / Is

 

 

これより、In[A]を求めれば良いわけさ

In → Is → If1(答え)

 

 

まずは定格電流Inを求めていくよ

 

 

Pn = √3 * Vn * In

Vn は線間電圧だよ

(線間とかの話も辺もいつかやりたいな)

 

 

10 * 10^6 = √3 * 6.6 * 10^3 * In

 

 

In = 10 * 10^3 /  √3 * 6.6 [A]

 

 

%Z = 100 * In / Is より

 

 

80 = 100 * In / Is

 

 

Is = 100 * In / 80 [A]

 

 

Is * Ifx = Ix * If1より

 

 

If1 = Is * Ifx / Ix [A]

 

 

If1 = Is * Ifx / Ix [A] 

 

 

If = (100 * In / 80) * Ifx / Ix [A] 

 

 

If = (100 *  (10 * 10^3 / √3 * 6.6) / 80) * Ifx / Ix [A] 

 

 

If = (1 * 10^6 * Ifx ) / ( √3 * 6.6 * 80 * Ix) [A] 

 

 

If = (1 * 10^6 * 50 ) / ( √3 * 6.6 * 80 * 700) [A]

 

 

If = 78.1047 [A] 

 

 

というわけで答えは(3)!

 

 

これが解けるレベルあればまず三種は合格できるね

 

 

これでやっと次の自己励磁現象に行ける!

 

 

【本日の豆知識】

リレー(継電器)は52 30 27が大事

https://e-sysnet.com/iguno/

 

 

(・ω・)ノシ

 

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電験 7講座 %インピーダンス 2 【機械】

前回のおさらい

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さて、前回は%インピーダンスにおいて定格電圧及び短絡電流を用いて%インピーダンスを表したけど

 

 

今回は励磁電流を用いて

%インピーダンスを表していくよ

 

 

ここら辺の式変形は

一次試験で狙われるから覚えておくべし

 

 

じゃあ始めるよ

 

 

まずは今回の画像

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みんなこの図はよく見た事があると思う

 

 

 

縦軸を端子電圧、及び主回路に流れる電流

 

 

横軸に励磁電流を取った図になるよ

 

 

作られる線は

三相短絡曲線(曲線といいつつ実際は直線)

無負荷飽和曲線

 

 

 

【三相短絡曲線】

入力の三相間を短絡させて、

端子の電圧値と励磁電流の関係を見ているもの

 

 

【無負荷飽和曲線】

負荷を繋げないで、

励磁電流を流した時の端子の電圧値を見ているもの

 

 

なんでいきなり励磁電流が出てくるかと思った方

 

 

回転機器は励磁電流が必要な物が大半で

 

 

速度制御(周波数制御)や電圧制御というのは

励磁電流の値によって制御されているからだよ

 

 

要は脳みそみたいなもの

(励磁回路はとても大事な部分)

(図だとExciterの頭文字を取ってEXとかかれるよ)

 

 

だから励磁電流用のリレー(継電器)をつけたり、警報機能を付けたりして異常の有無を厳しく監視してる

 

 

そんな励磁電流は%インピーダンスに効いてくるから、どう効いてくるのか説明するのが今回のお話

 

 

図を見ると、

2つのエリアでプロットしているのが分かるかな?

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①【定格電圧と同等の電圧が印加されている時】と

②【定格電流と同等の電流が流れている時】

 

 

これらが分かれば、①より短絡電流、②より定格電流がわかるから、励磁電流の値を用いて%インピーダンスをあらわすことができるようになる

 (①について、短絡電流の時になぜ定格電圧かという話は 【はじまり1】を参考のこと)

 

 

 

もう1回図

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やり方としては

 

 

 

①無負荷飽和曲線で定格電圧値(Vn)の所をプロットして垂直に線をおろし、三相短絡曲線に当たるところが短絡電流(Is)の値となり、その時の励磁電流をIf1とする

 

 

 

②三相短絡曲線で定格電流(In)の値となる所をプロットし、その時の励磁電流をIf2とする

 

 

 

③直角三角形で相似が取れるから、これを用いてIs、In、If1、If2の関係を導く

 

 

【完成】Is : In = If1 : If2

 

 

ここら辺は過去問で出たことがあるので、

次の記事で載せようかな

 

 

この結果と、%Zs = 100 * In / Is の式を用いることで

 

 

%インピーダンスを励磁電流で表すことができる

٩(ˊᗜˋ*)و完成

 

 

よく覚えておいてください

 

 

さて、次回はプラス補足と過去問かな

 

 

その次に自己励磁現象につなげて行きます

 

 

次回はまた来週末かなー

 

 

【今日の豆知識 (配電関係)】

地域をまたぐ通信線は電柱のどこに通っている?

→  架空地線の中にねじ込まれて入っている

https://electric-facilities.jp/denki7/ka/004.html

http://gorondeener.web.fc2.com/gorondeener-denchuu.fairu.top.html

 

 

(・ω・)ノシ

 

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電験 6講座 本サイト 【こんな想いを込めて書いてます】

( 'ω')皆さま、日頃ご愛読ありがとうございます

 

 

本サイトは皆さまの電験勉強の理解の補助として

使えるかなーと思いつらつら書いています

 

 

私が合格に向けて勉強していた時も

世に出てる教科書は定義がたんたんと書いてあり

 

 

難しすぎるっしょ...と思ってました(´・ω・`)

 

 

そして講師に質問を聞きに行くと、口語チックに教えてくれるのでとても分かりやすかったのを覚えてますヽ(。・ω・。)ノ

 

 

そんな口語チックなサイトをつくりたいな

と思い立ち上げたのがこのサイト【エレキ会】です

 

 

ヽ(。・ω・。)ノ だから本サイトでは厳密な書き方をせず、フランクにスラスラ読めてかつ概要を理解できるものを目指していきます

 

 

皆さまの理解の補助として使えるよう、僭越ながら書いていきますので、楽しんで勉強を進めてくださいね٩(ˊᗜˋ*)و

 

 

【今日の雑談】

最近英語を勉強しているけれどもとても難しい

(´・ω・`) 発音記号キャラ辞典を読んで、ふむふむと思いながら、Netflixで海外ドラマを見ています

 

フレンズがとてもおもしろい   ジョーイがすき

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(・ω・)ノシ

電験 5講座 %インピーダンス 【機械】

【前回のおさらい】

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さて今日はこの上の図に、

インピーダンスの内容を加えて行くよ

 

 

科目としては【機械】

 

 

%インピーダンスは一種~三種で出題されるから、どういうものか覚えていこう

 

 

 

まず、先に画像を出してしまうとこう!

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%インピーダンスは%Zと書いて、その回路に置けるインピーダンス成分を、比率で表したものなんだ

 

 

イメージ湧くかな?

( 'ω')

 

 

例えば塩分濃度が5パーセントの食塩水を考えると

 

 

100kgの食塩水があった時の塩分は →5kg

 

 

10kgの食塩水があった時の塩分は →0.5kg

 

 

同じ5パーセントでも食塩の量が違う

 

 

つまり、パーセント(比率)を分かるようにしておけば、食塩水がどれだけあるかによって塩が何kgあるか知ることが出来るんだ

 

 

これを電気でやるのが%インピーダンス

( 'ω')

 

 

電圧値がタップ切替変圧器や系統異常により変化した時、その系統の抵抗値は何Ωですか?ってのをわかるようにするものが%インピーダンス

 

 

%インピーダンスが5%なら

 

 

電圧1000ボルト印加時のインピーダンス値と

 

 

電圧100ボルト印加時のインピーダンス値の

それぞれが分かる

 

 

だから%インピーダンスを使う

 

 

第2の理由としては

 

 

様々な容量の設備において、インピーダンスの妥当性が見てわかるってのがある

 

 

例えば100MVAの設備や10MVAの設備、75MVAの設備、そして49MVAの設備を設置する場合

 

 

インピーダンス値をそのまま、それぞれ500Ωです50Ωです25Ωですって言われても、それが妥当なのかすぐには分からないよね

 

 

でもどの設備も、%インピーダンス(比率)は5%って分かってれば

 

 

実際のインピーダンス値は置いといて、

妥当だなって一律に判断が出来るでしょ

 

 

この為にも%インピーダンスを使う

 

 

最後の理由としては、計算がしやすいからだけど、これは電験一種の二次で使う潮流計算の話だから別の機会で説明します。P.U.の話の時かな

(潮流計算→電気の流れを計算するもの)

 

 

さてもう一度画像

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次は計算を見ていこう

(本図では短絡比に繋がる話だから、短絡インピーダンスの%インピーダンスの話をするよ)

 

 

%Zsは 短絡インピーダンス[%]

Vnは定格電圧[V]

Isは短絡電流[A]

Zsはインピーダンスそのものの値[Ω]

 

 

これを組み合わせて

%Zs = 100 * Zs* In / Vn が成り立つ

 

 

この式は上の図の緑囲いの式

Zs * Is = Vn を用いて

 

 

%Zs = 100 * In / Is と表せることが出来る

 

 

【※ここで覚えてほしい重要ポイント】

(初めのうちはなんで?って混乱するところ)

 

 

→【Vnの時ってInじゃないの?】 

→(定格電圧の時って定格電流じゃないの?)

 

 

違います!定格はあくまで、その設備が出せる出力の最大のものを言います (※これは設備の使用上の最大であって、物理的な意味の最大電圧とはまた違います)

 

 

定格電圧を見る時は、負荷が繋がっていない状態、つまり負荷側を短絡した状態の時の電圧を言います

 

 

だから、Zs * Is = Vn !

決して定格電圧の時に定格電流って訳ではありませんので覚えておくこと!

 

 

話を戻します

 

 

以上より、

%インピーダンスがどういうものか分かったかな?

 

 

%インピーダンスは一種、二種、三種全ての計算で必要になるものだからしっかり覚えておいてね

 

 

今日の話はここまで、次回も引き続きこの図を拡大して、自己励磁現象まで向かっていくよ

 

 

そして

 

 

今後もメモリーツリーを伸ばして言って巨大な図を作っていきます。全て完成した時に、みんなが電験の世界を理解してくれると嬉しいな

 

 

しっかり理解してついてくるように

\\└('ω')┘//// オオー

 

 

【今日の豆知識】

%インピーダンスを1/100にした小学校で習う表し方

60% → 0.6

5% → 0.05 

は学術ではP.U.って言います。これはper unitの略で、結局のところ同じく比率を見ています。

一種を受ける人は理解する必要あるからよろしく

https://kotobank.jp/word/単位法-1559954

 

 

(・ω・)ノシ

 

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