電験 9講座 自己励磁現象 【機械】
今回は自己励磁現象について説明していくよ
先に画像を上げるとこう
三相短絡曲線と無負荷飽和曲線の応用で、
自己励磁現象にお話が進むよ
詳細の画像をどん!
ここでは自己励磁現象を考えるため、無負荷飽和曲線と充電特性曲線 (実際は直線)を考えていく
※三相短絡曲線じゃないよ!
【充電特性曲線】
回転機の回路がどれだけ充電されているかをみるもの。充電とは、回路上に電圧がかかって電気が流れる (電荷が線路にある)状態のことを言うよ。つまり励磁電流の値に応じて、端子電圧が発生し(励磁電流の値に応じて端子電圧の大きさが変化)、回路が充電状態となるもの
次に自己励磁現象について
【自己励磁現象】
自分の磁界のせいで励磁が起こり、その励磁により電圧が増え、電圧が増えたことにより磁界が増え、磁界が増えることで励磁が増え、励磁が増えたことで電圧が増...といった現象のこと
ここで気になるのは、
①そもそもなんでそんなことが起きるの?
②それじゃあ無限に電圧が増えてしまうの?
まず①だけど、答えは回路に残留磁気が残るから
同期機は何のパラメータ操作で
出力をコントロールしてるか知ってる?
励磁電流を上げ下げする事で、
同期機の端子電圧を上げ下げしてる
つまりコントロール元は励磁電流
でも、実際の同期機では励磁電流を下げて
0にしてしまっても端子電圧が残る
それがこの画像
ヒステリシスループの関係上、
励磁を0にしても磁界が完全になくならない
ヒステリシスループは磁界と磁束密度の関係を表した図のこと。物体を磁化するときのお話。
(この話は理論の時説明するよ)
ちなみにこんなの
今回は、このヒステリシスループによって、
励磁電流をなくしても端子電圧は0にならず
値を持つってことを覚えておいてね
( 'ω')
また画像
この端子電圧が残ると、電磁誘導によって
励磁回路が電圧を持ち、励磁電流が流れてしまう
(電磁誘導により発生した電圧分による励磁電流)
そうすると、励磁電流が増えてしまうから
励磁電流が増える→端子電圧が増える
端子電圧が増えると、電磁誘導によって励磁回路が
さらに電圧を持ち、さらに励磁電流が流れる
(電磁誘導により発生した電圧分による励磁電流)
さらに増えた励磁電流によって、端子電圧が増え...
といった感じでどんどん増えていく
じゃあ、②のどこまで端子電圧が増えるのか
答えは、無負荷飽和曲線と充電特性曲線の交点まで
この交点が安定点となるよ
図の見方わかる?
まず、残留磁気のところは電圧がある程度存在する
なのに励磁電流は全く出ていない
充電特性と実際の回路状態が合っていないよね?
端子電圧があるから、それに見合うまで
励磁電流が発生して充電特性曲線の線上まで増える
次に励磁電流が十分増えていても、今度は無負荷飽和曲線と比べると、同じ励磁電流値のときに端子電圧がまだまだ上げれることが分かる
すると、励磁により飽和するまで電圧があがる
次にその電圧値に見合う
励磁電流が出ているかと言うと...
こうやって安定点(励磁電流に対して端子電圧が飽和している、かつ端子電圧に対してもこれ以上電路が充電されることのない点)にまで回路状態が進む
これが自己励磁現象さ!
次に、自己励磁現象の問題点を説明するよ
上記より、無負荷飽和曲線と
充電特性曲線の交点まで電圧が上昇する
この電圧値(つまりは交点)が
定格電圧Vnを超える所までいっては困る
何で困るかは定格電圧の定義を参照してね
(~はじまり1~を参照)
機械壊れちゃうからね
その為、安定点の位置が定格電圧Vn以下になるように充電特性曲線を定めなければいけない
つまりは回路 (電路)の充電特性を前もって適切な直線になるように設備をつくるということ
以上!自己励磁現象でした
( 'ω')
次は過去問をやるよー
そのあとは何に進めようかな
機械が長かったから電力にでもいこうか
来週は火力発電所について進めていくよ
【本日の豆知識】
よく外に置いてある大型の変圧器の下って砂利が敷かれてるよね。あれは接触電圧や歩幅電圧の時の抵抗値を増やすためさ
(接触電圧、歩幅電圧に関しては電力で説明するよ)
http://www.shingijutu-niigata.jp/fukyuu/pdf/18K1004-2.pdf
(・ω・)ノシ