Raskのエレキ会

【エレキ会】 電験 一種 二種 三種を目指す皆さまへ

電験 11講座 自己励磁現象 2【過去問 電力管理 二種二次】

今回は二種二次をやっていくよ

 

 

 

【二種二次 平成14年 電力】

同期発電機を無負荷の長距離架空送電線や地中送電線など静電容量の大きい線路に接続した時、次の問いに答えよ

 (1)自己励磁現象について簡潔に説明せよ。

 (2)送電線路の試充電において、自己励磁による異常現象を起こさない方策をあげよ。

 

 

 

 

既に自己励磁について記述しろって書いてあるね

 

 

 

問題を見たときに長距離送電線とか、地中送電線とか静電容量が大きくなりそうな単語がでるから

 

 

 

問題で自己励磁を書かせるんだなって思う

 

 

 

長距離送電線で静電容量が大きくなるのは、

並列でコンデンサがいくつも繋がる状態になるから

 

 

 

1μFと1μFがあったら並列繋ぎは2μFになるし、

長距離になるほど3μF、4μFとどんどん高くなるよ

 

 

 

ここでのコンデンサはこんなイメージ(左上)

f:id:Rask:20190601225053p:image

 

 

 

よく浮遊容量っていう

幽霊みたいな名前のコンデンサのことだね

 

 

 

こいつは値が小さいけど、どこにでもいるよ

 

 

 

よく弱電、それも電子回路とかだと

無視できなくなるから浮遊容量分とか書かれるよ

 

 

 

みんなコンデンサって何かイメージできてる?

 

 

 

しっかりと鉄板二枚を重ねたのだけが

コンデンサだと思ってない?

 

 

 

他にもあるよ

 

 

 

金属と金属があればその間はコンデンサ

 

 

 

あと金属と地面

 

 

 

 

つまり外にある電柱の、

電線と地面の間にはコンデンサがあるし

 

 

 

各電線間もコンデンサで繋がってるよ

(値は小さいけどね)

 

 

 

よく覚えておいて、では本題

 

 

 

長距離送電線になればなるほど

コンデンサが並列に繋がり値が大きくなるから、

長距離送電線は容量性負荷が高い

 

 

 

つまり外で遠ーーくまで繋がってる電線を見たら

コンデンサ成分でか!」ってツッコミいれといて

 

 

 

さて、次は地中送電線

 

 

 

さっき、電線と電線、電線と地面の間には

コンデンサがあるって言ったよね

 

 

 

このコンデンサってさ

 

 

 

お互いが近い時と遠い時

どっちが影響(コンデンサの値)大きいと思う?

 

 

 

少し理論に入るよ

 

 

 

コンデンサってのは要は鉄板どうしに流れる

電界の量なんさ (電荷の量でもいいけど)。

 

 

 

電界が鉄板からでて、

相手先の鉄板にどれだけ入るかで決まる

 

 

 

当然電線同士が近い方が

電界が漏れずに相手側に行くさ

 

 

 

つまりコンデンサ成分はでかくなるさ

 

 

 

別の言い方(式)で言うと

C = εS/d って式は見たことあるよね

εは誘電率、Sは鉄板表面積、dは鉄板同士の距離

 

 

 

ここからもdが大きければ

コンデンサの値は小さくなることが分かる

 

 

 

少し難しく言うと導電体の距離を考えると

電磁気的にはC ∝ 1 / ln( b/a )

※aとbは導電体の距離(a < b)

 

 

 

距離を大きくする、すなわち相対的に

aの値を固定してbの値を大きくすると

 

 

 

コンデンサCは小さくなるね

 

 

 

一種受ける人は

この3つで説明出来るようにしておくといいよ

 

 

 

というか距離が短いほうがコンデンサ小さくならないと、例えば日本の電線とブラジルの電線の間とかでとてつもない容量のコンデンサがあることになってしまう笑

 

 

 

考えてみれば当たり前やね

 

 

 

では、

外に架空で布設している電線と地面の距離

地中に埋まってる電線とその地面の距離

 

 

 

地中送電線の方が近いよね

 

 

 

だから他の問題で「地中送電線を布設するにあたりなにが問題になるか」と聞かれたら

 

 

 

・送電線の容量性成分が大きくなる

 

 

 

って答えておけばいいよ

 

 

 

それが原因で地中送電できない所もあるし

 

 

 

まぁほとんどは地面埋めると布設費用とメンテナンスコストがかかるって書けばいいんだけどね。

(あと火災設備とか付けなきゃいけないし)

 

 

 

ちなみにメリットとしては

・自然災害を受けない

とか書いとけばいいよ。

 

 

 

キャロッピングやスリートジャンプや塩害

気にしなくていいって書いてもいいし

 

 

 

やばい他の過去問になってしまってる

 

 

 

この浮遊容量による充電成分て

色んなところで問題になっててさ

 

 

 

他にも「本州と北海道繋ぐ海底ケーブルは何で直流なの?」って問題も

 

 

 

・交流だとコンデンサによる充電容量成分が大きくなるため(充電電流が大きくなるため)。

 

 

 

ってのが答えにあるよ

 

 

 

脱線するから本題本題

 

 

 

じゃあ問題もっかい

二種二次 平成14年 電力

 

同期発電機を無負荷の長距離架空送電線や地中送電線など静電容量の大きい線路に接続した時、次の問いに答えよ

 (1)自己励磁現象について簡潔に説明せよ。

 (2)送電線路の試充電において、自己励磁による異常現象を起こさない方策をあげよ。

 

 

 

 (1) 容量性の大きい線路では残留磁気により進み電流が流れるため励磁電流が増加してしまう。すると励磁電流が増加したことにより同期発電機の端子電圧が上がり、電圧が上がったことにより励磁電流がさらに増加する現象が起きる。これを自己励磁現象という。この自己による電圧増加現象は、同期発電機の無負荷飽和曲線と充電特定曲線の交点で止まる。この時、交点が端子電圧の定格電圧値より高いと自己励磁現象により端子電圧が定格値を超えてしまい機器の破損となる危険性がある。

 

 

 

こんな感じかな

 

 

 

正確な答えは参考書や過去問でも読んでおくれ

 

 

 

俺なら上の文と、プラスαで

いつも出してる画像を図として書いとくかな

f:id:Rask:20190601194755j:image

 

 

 

記述形式だからどこまでってのはないけど

 

 

 

俺はこの安定点の話まで書いといて

採点者に「この子分かってる!」と思わせるかな

 

 

 

二種二次 平成14年 電力

 

同期発電機を無負荷の長距離架空送電線や地中送電線など静電容量の大きい線路に接続した時、次の問いに答えよ

 (1)自己励磁現象について簡潔に説明せよ。

 (2)送電線路の試充電において、自己励磁による異常現象を起こさない方策をあげよ。

 

 

 

 (2)自己励磁現象をなくすためには線路を容量性から誘導性にする必要がある。そのため、受電端部に分路リアクトルや調相設備を設けたりして電線路を誘導性適切な位相にする。また、充電電流を減らすために同期発電機を複数台設置することで分流させ充電電流を小さくする、同じく変圧器を設けることで充電電流成分を小さくする。しかし、充電電流を小さくすると励磁電流が小さくなり、かつ電線路のインピーダンスが大きくなるために同期化力が小さくなるために安定度が低下する恐れがある。

 

 

 

俺ならこんな感じで書くかな

 

 

 

ここで覚えておいてもらいたいことは

 

 

 

線路が容量性ってのは異常ってこと

 

 

 

普通は電線なんて素材が

コイル(リアクトル)なんだから誘導性

 

 

 

だからマストで書くのは

容量性の電線路を直すってこと

 

 

 

そのためにはまぁ分流や変圧器(変圧器ってコイルだし要はリアクトル成分を繋げることと一緒やね)を使って充電電流減らしたり、調相設備を入れて位相を調整したりすることが大事

 

 

 

ここで安定度の話入れとくと試験管が

「おっ、こいt(以下略)」

 

 

 

安定度ってのはその線路の状態を見てるもんで

 

 

 

P = 100 * VsVr / Z で表すんだけど

(Vs は送電端 send だね)

(Vr は 受電端 receive だね)

(Zは線路インピーダンス)

 

 

 

ようは誘導性になるからインピーダンスZが

大きなって安定度Pが減るってこと

 

 

 

ここら辺の話もいつかツリーに入れて話すよ

 

 

 

今回は以上!

 

 

 

自己励磁も聞いてみるとそんな難しくないでしょ

 

 

 

充電電流と増磁!これにつきる

 

 

 

もし、励磁電流てなんのこと?

って読者がいたら何かしらで教えてちょーだい

 

 

 

そこ優先してブログ書くから

 

 

 

さて次回は一種二次

 

 

 

対して難しさも変わらんから、

気軽に解いていこう~

 

 

 

【本日の豆知識】

RLC回路の共振とかよくやったと思うけど

あれは

R 電線による抵抗成分

L 電線によるコイル成分

C 浮遊容量の成分

でRLC回路をやっている

この世の回路は全て厳密にはRLC回路さ

 

 

(・ω・)ノシ

 

※全体画像と、参考にこの問題の昔やった時の紙を

載せとくよ(参考書ぐちゃぐちゃ派です)

 

f:id:Rask:20190601233536p:image

f:id:Rask:20190601233554j:image

 

【2019.6.16】追記

うっかり画像の説明をし忘れていたところがあるから補足していくよ

f:id:Rask:20190616134058p:image

自己励磁現象の防止対策として、上にも書いたけど

 

①同期発電機を複数台設置する。

②変圧器を系統の途中に設ける。

③分路リアクトルを設ける。

④調相設備を設ける。

 

があるんだけど、この画像の(Pn / %Zn) ∝ In の部分

これは分流の考え方を示しているよ

 

例えば同じ定格容量、同じ電圧発電機の

G1とG2を用意した場合

 

G1の%Z : G2の%Z = 1 : 2であった時、

G1の電流 : G2の電流 = 2 : 1という事だよ

つまり(1 / %Z1) : (1 / %Z2) = I1 : I2 が成り立つ

 

並列運転の計算とかで使うから覚えておいて

 

(・ω・)ノシ